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「ほんとうの環境問題」

「ほんとうの環境問題」 池田 清彦 養老 孟司 著

たまにはこういう本も読むのですよ。
スケールの大きな問題なので、感想をまとめにくいのですが(汗)。

いま世界中で問題になっている地球温暖化問題。そしてその防止のためにCO2削減。
そのためにわたしたちは、日々ごみの分別をしたりエコバッグを持っていったりと瑣末な努力を重ねているわけです。

でもこの本を読むとそういった問題は、たとえば排出権取引などの政治的な利害がからんだ問題だということがわかる。
そして、「おひとよしな」日本は、外国のいうなりにどんどんCO2排出量の削減目標を上げられて、しかも日本の省エネ技術はもともと進んでいるからこれ以上の省エネはむずかしくて、結局はお金をだして排出権取引をしなければならないと。(もうすでに毎年大赤字なのに…)

そもそも長い目で見たら、ほんとうに地球は温暖化しているのかどうかはわからないし(科学者でも意見が割れているというのは、以前に聞いたことがあったので知っていた)、たとえ温暖化していたとしても、世間で言われているような海面上昇だとか病気蔓延だとかはあまり根拠がない、あるいはたいした問題ではないという。
さらに少子化にしたって、人口は増加しないほうが消費エネルギーだって少なくてすむのだから問題はないと(これについてはちょっと乱暴な意見では?とおもうけど)。

ともかく、この本を読んで思ったことは、石油は必ず枯渇するし(代替エネルギーも、どのみちエントロピーがでるなど別の問題を生んだりすると養老さんはいう)、日本の食料自給率は低いし(そして廃棄率は高いし)、ごみも増え続けているのだからそれらを何とかしなきゃいけないということ。
そしてとりあえず私たちにできることは、便利さに慣れすぎた自分のからだを鍛えるために、冷暖房を最小限にして、余分なエネルギーを使わなくてすむようにするとか、食事は必要量だけを用意し、のこさずちゃんと食べるとか、そういうことではないかとおもった。
ごみの出し方についてはリサイクルすればいいというものでもないみたいですが(アルミ缶のリサイクルは有効らしいけど、ペットボトルは生ごみと一緒に燃やすほうがいいらしい)、とりあえず自治体の決まりに従うしかないし。

あとはもっと知識を身につけて、選挙の時には環境対策に真剣に取り組むようなひと(政党)に投票するとか?むずかしいけれど。

☆☆☆

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「女信長」

「女信長」 (黒木メイサ 中川晃教主演、青山劇場)を見てきました。

もちろん、アッキーめあてです(笑)。

織田信長が女だったという設定で、戦国の動乱の中、女ならではの一途さで天下泰平を願い闘い続けるも、女ゆえに苦悩し、やがてその身を滅ぼしてゆくというストーリー。

正直、心を動かされることのない舞台でした。

メインの役者さんがつねにスポットライトを浴びていて、いちいち正面を向いて決めポーズで決め台詞をいう、斬られる人たちが、全身切り刻まれながらも「ここが見せ場」とばかり長々ときめ台詞をさけぶ(「まだ死なないのー」と思うこと数回)。
そういう「いかにも」なかんじの演出ひとつひとつがなじめず、最後まで話に入り込めなかった。

芝居っていうより「ショー」だと思えば楽しめたのかもしれないけど。
殺陣も多くて絢爛豪華だったし。

メイサちゃんは、きれいだしスタイルもいいしダンスもうまい。絵になる女優さんですね。かっこいいー
演技のほうも、男前な信長と、かわいくて色っぽくて、そして切ないおちょうを見事に演じていて、堂々としたものでした。

アッキーもストレートプレイがすごくうまくなってて、安定した演技。
歌もさすがに上手で聞かせる…けど今回はあまり心には響きませんでした。「はいはい、うまいねー」ってなもんで。
これはひとえに「オン・ステージ」的演出が好みでなかったせいかも。

石田純一はへたすぎ。ずっと「石田純一」だった気がします。もう役者としてはベテランのはずなのに…

ギャグもありましたが、くどくてあまり笑えなかった。とくにルイス・フロイス。うるさくて、「もういいよ」ってかんじでした。

秀吉はよかったなあ。多少なりともじーんときたのは秀吉と光秀のせりふだけだった。

というわけで、個人的にはワースト3ぐらいには入りそうな勢いです。
中川君には夏の舞台(死神の精度)でリベンジしていただきましょうか。

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「光と影」

という東海テレビの製作した番組を見ました。
1999年におきた山口県光市母子殺害事件の弁護団を追ったドキュメンタリーです。

正直わたしの今までの視点は(おそらく世の中の大多数の人がそうであるように)被害者遺族側のものでした。
広島での差し戻し裁判の被告の供述(ドラえもんとかお母さんとか)にも疑問を感じていましたし、そういう供述を引き出して罪を軽くしようとした弁護団(という印象だった)にもいい感情はもてませんでした。

しかしこの番組を見て、あくまでも真実を追究したいという弁護団の姿勢にこころを打たれ、自分の思慮の浅さに気づかされました。
つよい信念がなければけして出来ない仕事。しかも勝ち負けで言えば彼らは負けた側なのです。
こういう番組を制作した東海テレビにも敬意を表します。本来マスコミとはこういう仕事をすべきなのでは。

彼らに対する世間のバッシングがいかに強烈だったかいうこともあらためて知りました。
これらの手紙やメールを書いた人たちは、ある意味正義感のつよい人ではあるのだろうとおもいます。でもやはり物事を一面からしか見ていないといわざるをえない。
なにより匿名性を隠れ蓑にした誹謗中傷というのは醜い。

話はすこし飛びますが、誹謗中傷というと、村上春樹さんの短編「沈黙」を思い出します。
とある噂がきっかけでクラス中から無視されるという経験をした青年の物語なのですが、ラストの彼の言葉が胸にしみる。

「僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言い分を無批判に受けいれて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当たりのよい、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。(中略)彼らはそういう自分たちの行動がどんな結果をもたらそうと、何の責任もとりゃしないんです。本当に怖いのはそういう連中です。」

短編集「レキシントンの幽霊」に収録されています。ご興味のあるかたはぜひ。

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