「僕はいつでもここにいます」
「僕はいつでもここにいます」 西川浩幸著 を読む。
キャラメルボックスの看板俳優西川浩幸氏の初エッセイ。
キャラメルの西川さんといえば、押しも押されぬ看板俳優で、文字通りこの人抜きではキャラメルボックスは成り立たないと思う。このひとが出てくると空気が変わるんだよね。
それにくわえ埼玉県では有名な進学高校を出て、早稲田に現役合格だから、頭脳のほうも優秀、順風満帆な人生を送ってきたかに思える(経済的にはさておいて)。
しかしそんな彼でも、つい2002年の公演「アンフォゲッタブル」のときでさえ、「もう役者を辞めてしまおう」と本気で思ったりしていたというのは意外でおどろいた。
そのとき彼がそう思ったのは、ダメ出しの連続にいろいろ理由を尋ねていた時に言われた、「グダグダいってないでいいからやれよ!」という演出家の一言によるところが大きかったらしい。(成井さんてばー)16年も役者をやってきてそこまで言われてしまう自分って…という気持ちになったそう。
結局少しまとまった休みをとったことで気持ちを回復することが出来たらしいけれど、こういうことって普通の仕事や生活でもよくある(わたしなんかしょっちゅうだ)。
とにかく西川さんのやさしい、語りかけるような文章で、「自分もがんばっていこうかな」と自然に思わせてくれるような本。
上川さんとの対談コーナーもあるのだけれど(16ページにわたる結構長い対談)、これで感じたのは、「上川さんって迷いのない人なのね」ということ。
「芝居が好き」というだけでここまで突っ走ってきたかんじで、(こう書くと北島マヤみたい)非常に対照的なふたりでした。
前に読んだ内館牧子さんの対談集「言うんじゃなかった…」のなかで、当時オリックスのイチローにたいして、
「あなたが求めているのは「絶対」なのね。去年と比べて今年は何本打ちますとかそういうことじゃなく野球選手としてより高みにのぼりたいという「絶対」。」
ということを言ってたけど(イチローはそれにたいし「そうですそうです」といっていた)、上川さんもまさにそんなかんじなのかも、と思った。あの潔さはそういうところから出てくるのかなあ。
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